2015年11月22・23日 in 九州 第7回学術大会
平成27年11月22、23日に福岡市博多区JR博多シティーにて、日本咬合育成研究会 第7回学術大会が開催されました。全国より約70名超の会員およびスタッフの参加登録がありました。
1日目の午前中は『初診に戻って原因を考え直そう(診断の重要性)』と題して、九州支部の3名の会員先生方による合同発表がありました。舌の形態、模型の見方、セファロ(プロフィロ)の見方など、資料取りの際のポイントなど症例を交えながら分かりやすく解説して頂きました。長期間トレーニングや指導を行っていっているのに、なかなか改善されていない、ということが私もよくあります。本来の原因をいつの間にか忘れてしまっている、そんな時こそ初診に戻って診断を見直すことが大切であるということを教えて頂きました。発表後、高田先生による講評では、原因を直さないと必ず後戻りをしてしまう。そのためには日頃から気づく目を養うことが大事なのだと、より深い解説を交えて説明して頂きました。
1日目の午後は『2015 進化する咬合育成』と題して高田先生にご講演頂きました。最近の傾向として、低体重で生まれる子どもが多いこと。舌や口唇の筋力の低下が著しく、昔のようなトレーニング法や指導では合わなくなっているため、今の子どもに合わせたやり方で指導していく必要があるということ。とくに0才から5才までは子育て、しつけ、日常習慣を指導しながら、5才から7才までには正しい筋機能作りを育て、混合歯列期全般で正しい嚥下と咀嚼をマスターさせる、という流れができていれば、歯列の不正を防ぐことができるし、早いうちに楽に矯正装置なしでも十分きれいな歯列を維持できることなど、先生から発信される情報が毎回新鮮であり、なるほど、といつも納得させられます。これも、長年日々臨床に携わっている先生だからこそ見えてくるものなのだと思いました。私も咬合育成のセミナーに参加し始めてまだ日は浅いのですが、先生のような姿勢で日々臨床に取り組んでいけば自分の診る目を養うことができるのではないかと思いました。講演後は、参加者全員による記念撮影を行い、夜は懇親会場へ場所を移動し、全国各地から集まった会員同士と楽しく和やかな交流会が催されました。
2日目は9時30分より総会が開催され、会計報告があり、来年の学術大会は9月18、19日に神戸で開催と決まりました。10時15分より、九州支部と関西支部の6名の先生方の会員発表がありました。先生方の実際の臨床経験や取り組みを聞くことはとても興味深く、資料の分析の難しさやトレーニングや生活習慣における指導の大切さ、重要さなど、日々臨床で悩んでいることなど参考になる症例やヒントがたくさん含まれていて、大変貴重な経験でした。
2日間ともたっぷりな内容で、大変有意義な時間となりました。高田先生をはじめ、症例発表を頂いた会員の先生方、大会の準備をされた先生方方ご参加されたスタッフ全ての皆様、ありがとうございました。