筋機能訓練2014 in 九州
2014年10月5日〜6日 筋機能臨床実習セミナー第5回
10月5日6日、第5回目の筋機能セミナーが行われました。台風の影響があり、遠方のメンバーの中には参加できない人もいました。セミナー最終回ということで、全体のまとめという意味合いのセミナーとなりました。
初日はバナナ、チョコワ(スナック菓子)、ポッキー、おっとっと、おせんべい、バナナなどを使った嚥下訓練の実習でした。また2日目はおにぎり、サンドイッチ、菓子パンなどの主食および林檎や葡萄のデザートものを使った嚥下訓練の実習でした。基礎基本ではありますが、まずは姿勢が大切です。そして一口量を考えて取り込みます。また咀嚼するときは口角を閉じることを意識します。
お菓子などに比べ、おにぎりやサンドイッチは咀嚼して舌の上に集めるのに時間がかかり、改めて日ごろあまり咬まずに丸のみしていることにも個人的には気づかされました。
トレーニング前、トレーニング後と写真撮影、計測を行い、数値の変化を分析して、必要なトレーニングを考えました。
最後に第1回目と第5回目の写真、計測数値を比較し、改善しているところや今後の課題を見いだしその改善に必要なトレーニング法について学びました。ラストにふさわしいとても有意義なセミナーとなりました。
台風の影響が懸念される中、高田先生にははるばる釧路よりおいでいただきました。毎度のことではありますが感謝申し上げます。
九州 寺﨑裕憲
2014年9月7日〜8日 筋機能臨床実習セミナー第4回
まだ蒸し暑い九州で、筋機能臨床実習セミナーの4回目が開催されました。
高田先生がお誕生日を迎えられました。高田先生お誕生日誠におめでとうございます。ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今回は、前回よりさらにパワーアップして、とても分かり易いイラストや写真の入った検査結果説明用紙をいただき、感銘を受けました。一目で、悪い姿勢の例、よい姿勢の手本が分かるので、お子さんや保護者の方にもとても説明がしやすいと思います。検査結果説明用紙をはじめとする数々の貴重な資料をいただき、高田先生誠にありがとうございます。
また、詳細な解説をしていただき、舌の大切さ、姿勢、トレーニング、日常生活習慣、食べ方の重要性を改めて再認識しました。また、010〜014の太さのSループ付与ワイヤーを使った最新のワイヤーのテクニックもご教授いただきました。
さらに、筋機能訓練の実習では、様々な手法を学ぶことができました。これにより患者さんに、より的確に指導することができるようになったと思います。まずは、体を起こし、姿勢良く座ります。体、顔の曲がりに気を付けましょう。手鏡は水平の位置に持ちます。
口唇を閉鎖する練習では、上下の口唇を閉じる(舌尖はスポット)、奥歯を軽く噛む、鼻で呼吸することを覚えることが大切です。スティックを使った練習は、奥歯を噛む→上下の口唇でスティックを支える→鼻で呼吸する、の順で行います。この練習により、最も重要な食事中に口唇を閉じて食べることができるようになります。なお、食事時に口唇を閉じるためには、口の中にいっぱい入れすぎないようにします。日中や睡眠時にも口唇が閉じられるようになるとさらによいです。鼻が悪い場合は、鼻をなおしましょう。
小さな輪ゴム(エラスティックゴム)を使った舌尖を伸ばす練習では、輪ゴムを舌の先にのせ、舌の先を前へ出すと、舌尖がまっすぐになります。3~5秒静止し、これを5~10回繰り返します。口を開けすぎないようにします(せいぜい指2本分くらい)。
そして、吸い上げの練習はそのまま、輪ゴムをスポットに付け、吸い上げます。このとき、輪ゴムを少し前に出しておくと、スポットに付いたか見えます。顎関節の障害がある方は注意しましょう。舌尖の力を付け舌尖が丸まらないようにし、また、舌全体の力を付けうまく吸い上げられるようになると、嚥下時に上顎に舌がしっかりと押しつけられ、上顎が広がっていきます。
舌振りの練習では、下顎が舌と一緒に動くのはよくありません。過蓋咬合ぎみの人は、鏡は少し上向きに持つとよいです。舌を前へ出したとき、舌が下がるようなら、まずスティックで舌を前へ出す練習をするようにします。また、舌が丸まっている場合、まず輪ゴムを使って舌尖を伸ばす練習をするとよいです。切端の位置にしてから、ゆっくり指1本分くらい開ける→舌振りをゆっくり行う。下顎が動かなくなったら少しずつ早めていきます。舌を出しすぎないようにし、また、力を出しすぎないようにします。舌尖だけが動いている場合、もっと根本から動かします。舌が震えるときは、下を向いて舌を振ったり、前後に出し入れするとよいです(速くするとよい)。
「ラ、ラ、ラ」の練習は、嚥下時に上顎に舌を押しつける力がない子に適しています。メリハリをつけて強くはじきます。「ラ」を発音すると、舌の先がスポットに付きます。
「タン、タン、タン」の練習も、メリハリをつけて強くはじきます。上に舌を上げようとしても舌小帯が短い場合は難しいです。先に舌小帯をなおしましょう。
きりふきを使った嚥下の練習では、まず、2ふき水を入れる→舌吸い上げ→奥歯でかちっとかむ→嚥下(ごっくん)→べーと舌を出す。嚥下時舌が出てこないか確認します(唇は開けておく)。できないときは、「タン、タン、タン」の練習から行います。嚥下して次にポンと舌を離すと、ポッピングの練習になります。吸い上げられるようになったら、吸い上げの時間を長くします(4秒くらい)。吸い上げ時、下顎を後ろへ引くのはよくないです。下顎は下へ引くのがよいです。
水からだんだん比重のあるものに変えていきます(牛乳やヨーグルト)。
ヨーグルトの嚥下の練習では、まずスプーンから上唇を下ろしてヨーグルトをとる→吸い上げ→①口唇を閉じたまま嚥下②口唇を開けたまま嚥下→べーと舌を出す、という順序です。舌の上にヨーグルトが残っているか確認します。
口の中にいっぱい入れる子は反動を付けて飲むので(丸飲み)、よくありません。口の中にいっぱい入れて、下向きに飲み込むと、舌を後ろへ引いて飲み込むので、過蓋咬合になります(下顎が後ろへ引かれる)。「カッ、カッ、カッ」と言うと、舌の後ろの動きが分かります。
ガムをかむ練習では、ガムを片側で柔らかくなるまでかむ→口を開けます。
舌で押さえてガムをかむことが大切です。
ガムの1点がみの練習では、爪楊枝にガムを丸めて付ける→下顎6番の位置に乗せてかませます。口角を閉じてかみます。→口を開けます。
この時、前後的にガムが伸びているのがよいです。左右的にガムが伸びているのはよくないです(そこのスピーカーブが強くなってしまう)。ガムが後ろへ移動している人は下顎が後ろへ後退します(後ろを向いてかむとガムは後ろへいく)。口角を閉じないでかむと、ガムへ歯列からはずれます。口角を閉じてかむと、ガムは歯列の上に乗っています。口角を閉じて食事することは大切です。右でかんで、首を右へ傾けるとガムは内側に寄ります。姿勢に気を付けましょう。
笛ガムの練習では、口唇で笛ガムを支え、音を出します。口輪筋がつきます。
口角を使いましょう。
前回までの内容も含め、これらのご教示いただいた筋機能訓練から、検査結果説明用紙による分析をもとに患者さんにベストな内容をピックアップして、より的確に指導していけるようにしたいです。
やや控えめでおとなしい九州のメンバーですが、世界で羽ばたいている錦織選手のように、日々精一杯努力し、咬合育成発展の礎になれるようにがんばりたいと思いますので、高田先生今後ともご指導の程、よろしくお願いします。
九州 辻真里
2014年8月3日〜4日 筋機能臨床実習セミナー第3回
H26年8月3日、4日 台風接近の悪天候のなか筑紫歯科医師会館にて筋機能実習臨床セミナーの3回目が行われました。
前回に引き続き、髙田先生の筋機能臨床における要点を抽出凝縮されたたいへん貴重なさらに新しい検査結果説明用紙、年齢別計測標準値をいただき初診の患者さんの診かた、検査結果の分析、検査結果用紙の記入方法、検査結果に対する評価、説明方法、会話術についてたいへん詳細に教えていただきました。
“今の状態はどういう状態なのか?前回と比較してどこがどのように良くなっているのか?または悪くなっているのか?それともあまり変わりがないのか?では、その結果においてこれからどのような順番でどのようなトレーニングを勧めるのか?”というようなことをご教授いただきました。
筋機能療法士として目標に向かって種々のトレーニング方法を駆使しコンサルティングできるように日々努めたいと思っております。非常に解りやすいご説明で一本一本の短い線が長くつながってそれがゴールにむかっていくような感覚をおぼえた次第です。
毎月の症例相談もとても的確なご指導を賜り患者さん共々感謝御礼申し上げます。今後とも重ねてよろしくお願い申し上げます。
九州6期 高島
2014年7月6日〜7日 筋機能臨床実習セミナー第2回
雨が多く湿気の高い九州で
筋機能訓練セミナーの2回目が開催されました。
今回は新しい検査結果説明用紙を使った
データの取り方、それに伴う筋機能訓練の選択方法を
詳細に説明していただきました。
今回の、検査結果説明用紙は
携帯電話の過度の使用やゲームのやり過ぎの時にみられる
下顎の引き過ぎなどをしっかりチェック出来るようになった
新しいバージョンです。
咬合育成をすすめるにあたって
姿勢改善を中心とした日常生活習慣の改善が最重要事項であることは
セミナーを受講されている先生であれば
誰しもよく理解されていることと思います。
ただ、数多くある悪習慣をどのようにチェックして
どのように改善するかが難しいのも現実です。
しかし、今回のセミナーのこの検査結果説明用紙を使うと
かなり日常生活習慣指導が行い易くなった実感があります。
咬合育成の肝である日常生活習慣指導
頑張っていきたいと思います。
高田先生、いつもていねいな指導ありがとうございます。
九州5期 にこ高
2014年6月8日〜9日 筋機能臨床実習セミナー第1回
九州筋機能実習セミナー 第一回目が6月8,9日に福岡で開催されました。新規の先生が3名加わり、6班に分かれて和気あいあいとコースがスタートしました。
生活様式の変化にともない、咬合や歯列の不正にも変化が見られ、従来の治療法では対応できないケースも増えていることを症例で教えていただきました。細いワイヤーを用いた新しい治療法の効果を出すためにも、筋機能訓練が一層大切になるとのことで、
第一回目の今回は全ての基本となる「あ」の口、舌ふり、チューブ吸いの実習をしました。
①「あ」の口 :口唇のバランスを整え、口角間を広げるのに必須の基本的な訓練。
mono消しゴムを用いておこないました。消しゴムの厚みは最大開口量-20mmですが、事前に顎関節の触診を行い、関節の動きを確認した上で前方滑走を始める前の開口量を基準にするそうです。消しゴムの厚みが11mmなので、開口量に合わせ消しゴムの厚みを重ねて調整しました。
消しゴムを使うことで安定してあの口のトレーニングできました。
②舌ふりは舌を前方にだし、上に挙上する力をつけるためにおこないます。下顎位を安定させるために肘を固定し、親指で下顎を固定して往復20回おこないます。
③チューブ吸いは正しい嚥下ができるようにするための訓練。目標は40cm20mlを20秒以内で飲めるようにすることです。このとき舌が正しく働きながら嚥下が行われるように注意しなくてはいけません。
どの訓練も基本は良い姿勢が保てないと効果は得られないため、まず足裏から真っ直ぐに座れること、からだを起こすこと、顔の向きや角度に気をつけながら指導することが大切です。
臨床で毎日している基本のトレーニングも正しく行われていないと効果が出ないばかりか、歪みにもつながります。大事なポイントを確認し、自分たちで実習することで再確認ができました。
次回までの一ヶ月きちんとトレーニングをして変化を楽しみにしたいとおもいます。
いつも臨床に基づく新しい知識を教えてくださる高田先生、どうもありがとうございました。
竹内裕美
筋機能訓練2014 in 九州
2014年5月11日〜12日 筋機能訓練基本講座
6月から始まる筋機能訓練セミナーに先駆けて、基本講座が開催されました。
今回は、写真などの資料取りの方法やパソコンでの管理の仕方等、基本的な事から、『何故、資料取りが大切なのか』『その資料から何が読み取れるか』といった事まで、実習を交えて丁寧に教えて頂きました。
実習中は終始和やかな雰囲気でしたが、講義にはいると皆真剣そのもので、僕も一言も聞き漏らすまいと集中していました。先生のお話では、すごく重要な事がまるで当然の事の様に、次々に出てくるので、なかなか気が抜けません。
また、いつも思うのですが、小さな変化や異常を見逃さず、原因を発見したり今後を予想したりする様が、まるで推理小説みたいでワクワクさせられます。僕もいつか、先生のような名探偵になれる様に精進していきますので、今後も宜しくお願いします。
九州 増田