2014年11月2・3日 in 神戸 第6回全国大会
第6回日本咬合育成研究会全国大会が平成26年11月2、3日(日、祝)神戸産業振興センターにて、開催され、全国より100名を超える参加となりました。
1日目は高田先生より「進化する咬合育成2014」という2部構成の講演をして頂きました。近年では子供たちの口腔状態、日常生活習慣や環境の変化に伴い、我々の歯科治療もそれに対応せねばならないことを経験されている先生方をはじめ、医院スタッフも多いと思われます。
咬合育成セミナーにおいても、このような最近の子供たちの口腔内の現状に対応して、今年より、ワイヤーテクニックや筋機能訓練にも大きな変化をされています。そして【TY咬合育成法】として確立されたかみ合わせに関連する、口腔内外の育成を中心とした、総合歯科医療のプログラムとして、お話し頂きました。近年の変化ということで、こども歯科における患者の主訴の変化を提示されました。
それに対応するため、高田先生の繊細かつ丁寧な治療手順として、四つの咬合育成システム―:●日常生活習慣にはチェック用紙、動画、写真を採取し分析、●小児歯科臨床における永久歯胚の育成には極力、歯は抜かない、歯胚を育てる治療、●筋機能訓練には最新の筋機能計測用紙を用いた筋肉、機能を育てる方法、●早期矯正として、TY育成テクニック―咬合の育成として、舌房・咬合面・下顎位の改善、歯列の育成としてのペンデルワイヤーテクニックを症例を混じえながら、講演されました。今までより細いワイヤーを使用することで、歯牙に細かい動きを与えることができ、できるだけ歯牙に負担をかけずに動的処置を施すことができるため、今までより多くの症例に対応できる反面、今まで以上にこれらの要素を観察管理し、素早く今後の対応ができるように分析し解決していくことが重要であるということが示されました。
また関西の3人の先生方の合同発表として、自らの貴重な経験症例を惜しみなく提示して頂き、参加された方々は、歯胚を診ることの重要性を再認識されたのではないでしょうか。
2日目は9名の会員発表があり、咬合育成を取組んでまだ日の浅い先生からは今までの診方では対応できなかった症例が高田セミナーで学んだことで視点が変わり、修正されたこと、分析・診断の重要性を認識させられたことなどが発表されました。また経験を積むことでさらに咬合育成の奥の深さを考えさせられたこと、それに対する自院なりの取り組み方などが発表がされました。
そして姿勢が歯胚の動きを変化させるということや、歯胚が育つように筋機能や矯正を進めていくこと、口腔内だけでなく、常に‘全体‘を診るという診断力をつけることの重要性、などの高田先生のご講評を頂きました。
本大会は来年度からは学術大会となり、ますますの発展が期待されます。